コラム・詳細

デザイナーと印刷者をつなぐカンプ

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わたしたちの周りにはたくさんの印刷物があります。
入稿データが届いても、何を確認すればいいのかが分からず
「文字が読めない」「線が太すぎる」「写真がない」「色が違う」「ロゴマークがガビガビ」
などといったトラブルが発生してしまうこともしばしば…。
未然に防ぐために、何をチェックすべきなのか?全5回に渡って学んでいきましょう。
最終回は、印刷前の最終チェック「デザイナーと印刷者をつなぐカンプ」

予期せぬデータが…

新製品のパソコンの広告チラシの入稿データがメールで送られてきました。A4サイズで1000枚との事。早速入稿チェックをしてみると、「RGBとCMYK」「アウトライン化」「画像の配置」「画像解像度」全て問題なし!(それぞれクリックするとおさらいできます)
これで制作OK!…と思ったら、明らかにチラシの内容に合わない美味しそうなパンの写真が…。そしてA4サイズにしてはサイズが小さい…。
入稿したデザイナーからは、「データ通りで」と言われている。このまま制作して良いのでしょうか?

制作意図を正しく伝える「カンプ」

「データ通りで」の指示だけでは、パソコンの横にあるパンが正しいものなのかがわかりません。あえての配置かもしれないし、以前のデータの消し忘れかもしれません。
入稿されたデータファイルをもう一度見直してみる。すると、「カンプデータ」というファイルを発見。カンプとは広告や印刷などの制作において制作物の仕上がりを具体的に示すために作られる見本のことで、"Coprehensiv layout(カンプリヘンシブ・レイアウト)"を略したもの。カンプデータには…パンの写真は入っていませんでした。また、「1/5スケール」の記載も。確認のためデザイナーに連絡すると、やはりパンの写真は消し忘れでサイズは1/5に縮小されたデータだと判明しました。

形式と感覚、どちらも重要な判断要素!

基本的に印刷物制作には完全データを入稿してもらいます。完全データとは修正の必要がない完成された印刷可能な制作データのことを言います。しかしデータを作成するのは人です、100%完全ということはあり得ません。
印刷物に関わらず物事に関しては何でも確認が必要です。しかし、そのやり方がわからなければ間違いを防ぐことはできません。全5回にわたり印刷物のチェック方法を学んできましたが、お伝えしたかったことは形式的なチェックと感覚的なチェックのどちらも大事だということに尽きます。さあ、明日から快適な制作ライフを送りましょう!

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